危機感

西湖より望む富士山


 先日中川財務大臣が辞任しましたが、紙面でも多く書かれていたように、危機感がないなぁと私も思いました。
もちろん、現在の状況をやばいやばいと危機感を煽るだけの報道のあり方にも多少の疑問はあるのですが、この差し迫った状況での政治家の危機感のなさというのは、一体どういうことだろう。



今回の中川大臣のG7での失態を知ったとき、私の頭の中を横切ったのは、太平洋戦争開戦のときの出来事です。
あの時も、真珠湾攻撃に先立って相手に最後通牒をする予定が、大使館員の失態(確か送別会をやっていて、宿直を置いていなかったとか)もあり、結局真珠湾攻撃の後になってしまったのだと記憶しています。
当然、真珠湾前にちゃんとやっていたからといって、戦争に勝ったかどうかは別なんですが、そのときの危機感の無さが、後のミッドウエー開戦の敗戦にも繋がり、ガダルカナルの悲劇を生み、引いては広島、長崎の惨事に繋がったのだと思っています。



それに比べると明治の元勲たちは、当然彼らは元武士が多かったせいもあるとは思うのですが、腹の据わり方が違うというか、本当にすばらしかったな〜と思います。
特に日露戦争へ望むときの決断力、団結力などは今考えてみても、とても同じ日本人がやったとは思えないくらいです。



そういえば、日露戦争をあつかった司馬遼太郎の「坂の上の雲」が今年の冬にNHKのスペシャルドラマとして放映されるようです。なんだか、NHKの歴史ドラマの宣伝が多いですが、私はNHKの回し者ではございません(笑)
実は私の両親の故郷が四国の愛媛県でございまして、その県庁所在地である松山には「坂の上の雲ミュージアム」があります。また、ミュージアムの近くにはその主人公とも言うべき「秋山好古」「秋山真之」の生家が復元されていますので、興味のある方は松山城とセットで行ってみてください。



日露戦争前夜の日本を取り巻く世界情勢というのは、もちろん今の世界情勢とは単純に比較は出来ないけれど、相当の重圧と危機感があったと思います。
それこそ先人たちは命を掛けて日本の国益を守ったんですね
それに比べると、これも単純に比較は出来ないにしても、今の政治家は本当に情けない感じがします。
でも、考えてみたら今の政治家を選んだのも、こんな日本にしてしまったのも私たち日本人だということも忘れてはならないと思います。
自分の目の前に起きることは、自分の心のなかの投影だということを聞いたことがあります
つまり、あのだらしない政治家たちも、自分の無意識層が作り出したものなのかもしれません。
と言う事は、政治家たちを批判するのではなく、まず、自分たちが危機意識をもって変わること。
自分が変われば、周りは変わる。周りが変われば世界が変わる・・・
こういうのを信じて、自分の目の前に起こることを、一つ一つ丁寧に見て行きたい。

中川大臣の辞任をみて、そういう風に思いました。



いや〜しかし、いい男だったのに、もったいないですね〜