チップと日本人

クィーンレッド


 先週タイに出張に行ってきました。
当然向こうは連日35度くらいまで気温が上がり真夏です。
日本は僕が帰ってくるころを見計らったかのように寒くなって昨日は雪も降る始末。
体調管理をしっかりしないと、風邪ひいてしまいますね。



 さてさて、タイも世界経済に連動して相当な不景気です。製造業の方は軒並み半分くらいになってしまったと言っています。それでもまだ中国よりは状況はましなようで、人づてで聞いた話ですが、中国は酷いところになると7割減8割減という話で、社員もやることがなくて工場の掃除をしているとか・・・我々は本当に幻の中で生きていたのでしょうか。
タイにある私どもの関連会社でも毎年年末のボーナスを支給すると、年明けには例年は結構な数のタイ人従業員がいっせいに会社に来なくなります。ちょっと、日本人では考えられない状況ですが、タイ人にはよくある事のようです。
しかし、さすがに昨年末から今年の初めに掛けてはほとんど辞めなかったようです。
それだけ、タイも不景気なんです。



 さて、今回タイに行ったときに何度か利用させて頂いているゴルフ場(ちなみに私はゴルフはあまりうまくありません・・)の従業員のパーティーに参加、というか少し混ぜて頂きました。
パーティーといっても、居酒屋とかレストランでやるのではありません。
彼らが住んでいる長屋(一応コンクリート製ですが、正直綺麗とはお世辞でもいえない)の中庭にテーブルと椅子を出して、みんなでわいわいやるんです。
まぁ、パーティーという特別なものでは無いのかも知れません。なんせ、ほとんど毎日やっているそうなので(笑)
その会場にちょっと乱入させて頂いたのですが、あれ食え、これ飲めといろんなものを出してくれます。
ゴルフ場の従業員といっても彼らの生活は正直あまり豊かではありません。いや、はっきり言って貧乏です。
それでも、彼らは彼らのできる精一杯のおもてなしを笑顔一杯でしてくれました。
そこには、暖かい人間関係があり、その長屋に住んでいる人たちは本当に家族のようです。
近所の子供は自分の子供のように接していますし、地方のタイ人の女性の中には正式に結婚をせずに若いうちに出産し、母子家庭になっている人も沢山いますが、彼女たちも自分の親だけではなく周りの沢山の人が子供の面倒を見てくれたり、色々な面で支えてくれます。
そこには、暖かい人間関係というか、愛があるな〜と感じました



 それとは対照的にタイに来ている、ゴルフ場の茶屋で10バーツ20バーツのおつりをしっかり頂く日本人やお金でもめる日本人ををみて、少し悲しくなりました。
10バーツといえば日本円で約27円くらいです。
それをチップとして、その小さな感謝を彼らに渡せば、塵も積もって彼らの生活が助かるのです。実際タイ人の一回の食事代は数十バーツです。
たしかに、日本人はチップを渡す習慣がないので、ちょっと照れもあるのかもしれません。
貧乏だけれど自分たちの出来る精一杯のことをしてくれるタイ人、お金はあるのだけれど小さな感謝が出来ない日本人
なんだか複雑な感じがしました。



 なぜ、日本人は感謝を行動で表せないのだろうか。単純に習慣の問題ではない気がします。
最近僕も個人的に思っていることなんですけど、僕も含めて日本人には自己価値が低い人が多いからだと思います。
それは、歴史的には先の大戦での敗戦で「悪」というレッテルを貼られたことや、身近なところでは会社勤めで「お前のここが足りない」とか「こういうのがダメなんだ」という、所謂減点方式の人事査定なんかも影響してますね。
もっと、自分に自信をもって、人に愛や感謝をに与え、そして人からも受け取るということが必用です。極端にいうと、常にあなた(自分)は最高なんです!
僕は歴史オタクなので知っているのですが、日本人は昔から控えめではあったけれど、決して自己価値は低くはなかったんですよ。

 おっと、話が長くなったので今日はこの辺で・・・