西から北から

豪徳寺山門


 最近は領土問題を耳にすることがやたら多くなりました。尖閣諸島の問題は結構尾を引いているようでなかなか収束せず、さらに例の海上保安庁youtubeの映像流出問題でさらに火に油を注いでしまった感じがあります。
さらにはロシアの大統領が北方領土国後島を訪問するというニュースも飛び込んできて、我々が平和だと思っていた日本が、あっという真に緊張状態に陥りました。しかし、それに対する日本政府の対応を見ているととてもイライラしてしまいますね。


 尖閣諸島問題と北方領土は同じ領土問題でもベースが少し違っていて、尖閣諸島に関しては一応日本が実行支配しているが、北方領土(および竹島)に関しては外国に支配されてしまっているということです。
 領土問題というのは凄くナーバスな問題だというのは十分理解できますし、その解決というのがとても難しいということもなんとなく分かります。記憶で新しいのはアルゼンチンとイギリスのフォークランドでの紛争です。
どちらかが力づくで物事を解決しようとすると力と力のぶつかり合いとなり、犠牲者が出ます。ですから、なるべく話し合いで解決したいところなのですが、話し合いには「カード」が必要になります。この「カード」がないと有利に交渉することが出来ないのです。
少し前でしたら、日本は世界第二位の経済大国でしたし、その技術力・経済力はずば抜けていたと思います。しかし、現在では日本と現在領土問題を抱えている中国、ロシア、韓国は経済的にも急成長しており、以前ほど日本との差がなくなってきております。それどころか、相手から見ると日本はもう落ち目みたいに思われているのかも知れませんので、「経済」というカードはもう使えない感じがします。
今回の事象をみると過去の未完了なものというのが本当に絶妙なタイミングでやってくるのだということが本当に良く分かります。実際には過去冷戦構造のなかでのロシアと中国との交渉というのは、多分日本だけではなくアメリカの世界戦略のなでの位置づけというのを無視できなかったと思われますので、当時は進もうと思っても難しかったことはあると思います。しかし、今ここでこういう問題が立て続けに起きるということは、その問題を捉え何かしらを解決していくときが来ているのだと思います。それは領土問題を決着させるとかそういうことではなくて、日本の政治・外交が抱える慢性的な問題、引いては我々日本人がないがしろにしてきた問題を根本から糺していくことが必要な時期が来たのかもしれません



 今国会に目をやれば相手の短所というか問題を粗探しして、そこをお互い言い合うばかり。そして、責任のなすりあい。こんなことをして、果たして国がまとまるのでしょうか。そうしている間に外国が日本の利益を奪い取っていく・・・その事実に気付いているのでしょうか。今必要なことは民主党なのか自民党なのか、どちらが正しいかを議論するのではないということに早く気付いてほしいと思いますね。やり方の違いで対立するのではなく、その奥にある思いで繋がってほしいものです
歴史的にみても国が滅ぶときは外側からではなく内側から崩壊していくケースが圧倒的に多いのですデギンザビもこう言っていました。「ヒットラーは身内に殺されたのだぞ!」と(さらりとガンダムネタ)。実は外圧があるということは、団結するチャンスです。というか、それが必要だから起こっているということに一刻も早く気付いて欲しいです。問題が起きるということは解決するチャンスとタイミングが来ていると教わったことがあります。このピンチをチャンスと捉え、変化を怖れず受け入れること。それは、国会議員や政府というレベルだけではなく我々個人が自分たちの日常で横のつながりを如何に作っていけるかということが試されているのではないのかな〜と思いました。

以上です。